こらしめ屋


『プルルル~』



耳に響く機械的な電子音を聞きながら、相手が出るのを待つ。


すると、ふいにその音が途切れ、ケータイの奥から声が聞こえた。



「はい、もしもし?」



久しぶりに声を聞いたけど、相変わらず、かしこまった喋り方だ。

ま、職業柄しょうがないんだろうけどね。



「冬瓜(トウカ)?久しぶり!春花だけど…、覚えてる?」


「あっ!春花さん?お久しぶりです。元気でしたか?」


「もっちろん♪冬瓜も元気だった?仕事忙しい?」


「僕も元気です。…けど、やっぱり仕事は忙しいですね。」


「そっかぁ…。ちょっとお願いしたいことがあるんだけど…いい?」


「………こらしめ屋…ですか?」


「うん。今回は、冬瓜の力が必要になると思うんだよね。あんまりいい気がしないんだけど…」


「そうですか…。久しぶりの依頼ですね。それで、日にちは?」


「えっと…、それはまだ決まってないんだけど、早めに連絡しといた方がいいと思って。」



< 140 / 290 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop