こらしめ屋
その冬瓜に電話をしたのは、今回は危険な仕事になると思ったから。
なにせ、相手は殺人犯だし、今でも捕まっていないということは、きっと頭もキレるんだろう。
そう考えると、冬瓜の力を借りるべきだっていう結論になったんだ。
冬瓜に電話をし終えると、事務所を後にして、白銀通りを歩く。
今日はまだ時間があるから、桜木町を視察に行きたいんだけど……
さすがに一人じゃ怖い。
【そうだ!夏柑に一緒に来てもらおう。】
我ながら名案!!
……なのかな?
来てくれるかはわかんないけど、とりあえず夏柑の事務所に行くことにした。
親和町を歩きながら、夏柑をどう説得するかを考えた。
あのマイペースで、面倒くさがり屋の奴を動かすのは、至難の技だということは百も承知だ。
けど、奴を乗せることができたら、こっちの勝ちだと思うんだよね。
「コンコン。」
あたしは、いつもの事務所のおんボロドアを軽くノックした。