こらしめ屋
あたし達は急いで部屋を出て、きっちり鍵もかけ、階段へと向かった。
鉄でできたサビだらけの階段は、一段一段降りる度に、カンカンと大きな音をたてた。
「それで、なに見つけたの?」
あたしは、その煩わしい音に負けないように、声を少し大きくして夏柑にたずねた。
「ふふん。教えてほしいか?」
夏柑は満足気に、だけどすごく意地悪く言ってきた。
「……教えてほしい。」
「はぁ?なんて?もっと、でかい声で言わねぇと聞こえねぇなぁ。」
ムカつくー!
なんなんの、この男は!?
ドSを通り越して、ドドドドSだ!!
「教えてほしいです!夏柑様!?」
大声でそう言うと、夏柑は、後ろにいるあたしの方に顔だけを向けて、ニカッと笑った。
「しょうがねーなぁ。」
すると、後ろを向いていて、下から人が階段を昇ってきているのに気づかず、ふいに夏柑がぶつかりそうになった。
「…っと。失礼。……!!?」