こらしめ屋


「でもさ、写真でしか見たことないのに、なんでほんの一瞬見ただけでわかったの?」



あたしは、ふと浮かんだ疑問を投げ掛けた。

すると夏柑は、一瞬嫌そうな顔をして、面倒くさそうに答えた。



「目だよ。人を殺した奴ってのは、たいてい目つきでわかるんだよ。あと、雰囲気とかな。」


「ふ~ん?そんなもんなの?」


「そんなもんなの。春花には、わかんなくていんだよ。その方が幸せだ。」



どういう意味だろう?

闇の世界の話?



「…?わけわかんない。」


「わかんなくて結構。ほら、帰るぞ。こんな所、とっととおさらばしてえ。」



そう言うと、夏柑はすたすたと歩き出したので、あたしも急いで着いて行った。



そして、この薄気味悪い桜木町を後にした。



次にここを訪れた時は、運命のカギに手をかけることになるとも知らずに…

そして、そのカギが大きな意味を持っていることも…



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