こらしめ屋
「ふざけんな!」
緩めたロープを再びきつく引く。
「他人だからって殺していい筈ない!人の命は、他人が手を出していいものじゃない!無理やり終わらされた命のことを考えろ!どんだけ自己中なんだ!」
「…っ…や…めろ!」
「あんたが殺した人達も、そんな風に苦しんだんだよ!?同じ苦しみで反省しな。」
そう言って、あたしはロープに力を込めて一気に引いた。
「…っうぐ!?」
これまで以上に苦しそうな表情を見せた宮武は、喉を押さえて酸素を求めるような仕草をした。
そんな宮武を、あたしはやっぱり可笑しく思ったけど、さっきの発言にキレた頭が、笑うことはせず冷ややかな視線を送るように指示している。
「2度も同じ手に引っ掛かるなんて、思っていたよりマヌケだね。」
冷たく言うと、宮武はハッとして、押さえていた手を離し、喉の回りをペタペタと触る。
そこに巻き付いている筈のロープを探して…
だけど、そこにロープはなかった。
なぜなら、現在進行形であたしが持っているからだ。