こらしめ屋
「うん。ふんふん。大丈夫ですね。少し貧血気味ですが、脈も正常。腹部の傷が治り次第、退院できるでしょう。」
「あの…治るのって、どれくらいかかるんですか?」
「そうですねぇ…、個人差はありますが、綾瀬さんはまだ若いですし…。それに、幸い傷もあまり深くはないので、2週間もあれば退院できますよ。完治には、もう少しかかりますが。」
2週間か…結構長いな。
でも、傷は浅いらしい。
良かった。
嫁入り前の大事な体に、大きな傷跡がつくなんて、たまったもんじゃない。
医者が出て行った後、あたしのベッドの周りには、和樹と海以外の人物も居ることに気づいた。
「渉…夏柑。マスター…冬瓜も。心配かけてごめんね…。」
あたしがそう言うと、みんなホッとした表情で答えた。
「春花!本当に良かったです。」
「…ったく、心配かけさせんな。」
「春花ちゃん…良かった。」
「春花さん。無事で良かったです。」