こらしめ屋
「あたし、ちょっと外みてくるよ!」
そう言ってたけど、金井の耳には届いてないみたい。
動揺しまくりの金井を見て、呆れたようにため息をつくと、倉庫を出た。
そして、金井に気づかれないように裏口から再び倉庫に入る。
金井が、
「美和か?いや、まさかあいつがそんなこと…。まさか、みさきが!?」
と言っているのが聞こえた。
全く最低な男だ。
あたしは、そ~っと金井の後ろにフック付きのロープを垂らしていく。
よしっ。
準備はバッチリ!
いよいよ本番だ!!
「金井 守!!」
大きな声であたしは叫んだ。
そして、いつもの決めゼリフを言う。
「依頼人の命により、あんたを今から、こらしめます!」
言い終わった瞬間、あたしはロープをグイっと引いた。
「うわぁぁぁあ!!!」
金井がまぬけな声をあげて、宙へと舞い上がる。
フックに引っかけられた金井は、ぐいぐい上がっていく。
さすが木材も軽々のモーター付き自動巻き上げ機。
すごい力だ。