こらしめ屋
夏柑が謝るなんて、空から槍でも降ってくるんじゃないだろうか。
あたしはそう思いながらも、その珍しい光景を終わらせるように言った。
「春花さん。申し訳ないのですが、仕事があるので、そろそろ失礼します。」
「あぁ、そっか。忙しいのに、わざわざごめんね?ありがとう。」
「俺も今日は依頼があっから、帰るわ。じゃあな。」
「そうなんだ。夏柑もありがとう。またね。」
こうして、夏柑と冬瓜はベッドから離れて行き、あたしの視界から見えなくなった。
少ししてドアが静かに閉まる音がしたので、部屋を出たのが確認できた。
部屋に残っているマスター、和樹、海、渉の中で、次に口を開いたのは、マスターだった。
「春花ちゃん…、こらしめ屋は、まだ…続けるのかい?」
「え…?…どういうこと?」
マスターからそんな話題をふられるなんて、びっくり。