こらしめ屋


本当に言っちゃった。

かなり恥ずかしい!


あたしは顔が赤くなるのを感じて、思わずうつむいた。



でも、みんなの反応が気になって、恐る恐る顔を上げてみる。



「まじか…春花が…そんなに俺のこと…。」



顔を上げた先には、信じられないという顔の和樹。



「春花…ほんと?」



海も、少し驚いたように目をぱちくりさせていた。



「ほ、ほんと…だよ。」


「嬉しい!ありがとう。」



海は、とびっきりの笑顔でそう言ってくれた。



「俺も嬉しい!春花!ありがとな。」



和樹も、照れ笑いしながらの返事をくれた。


恥ずかしかったけど、言ってよかったのかも?

自分の気持ちを言葉にして、きちんと相手に伝えることも大切なんだね。


改めて仲間のいる幸せと、それに応えてくれる信頼関係を築けたような気がする。



怪我の功名って、きっとこういうことなんだろう。


……たぶん。



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