こらしめ屋


きっと四季も大変だったんだと思う。


12才で養子として綾瀬家に行くなんて、相当苦しかったはず。


いきなり知らない所に行くことになって、知らない人達と暮らすことになって…

それが、もの心つくまえならまだしも、大きくなってからなんだから尚更。



あたしはまだ8才の時だったけど、あの苦しみと悲しみは今でも強く覚えてる。


突然マスターの家に住むことになって、凄く気を使った。

そりゃ、今でも気を使うけど、もっともっと使ってたんだ。



それに、帰る家はあっても、居場所はないような気がしてならなかった。



【ここは本当の居場所じゃない】

って、ずっと思ってた。


安心できる場所がなかった。





四季も、そんな苦しみに堪えてきたんだろうな…


そう思うと、今まで四季にしてきた酷いことを全部ナシにしたくなった。


きっと、四季も被害者だったんだ。



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