こらしめ屋
過去への覚悟
それからのあたしは、決意しては揺るぎ…
覚悟を決めては揺るぎ…
なかなか心を据えることができなかった。
本音を言えば、両親を憎む心が強くて、復讐したいと思っている。
だけど、あたしの良心はそれを全力で止めようとする。
世間体を考えてるんじゃなくて、ただ実の親というだけで、憎み切れないところがあるからだ。
だって、自分の両親だよ?
あたしを産んでくれた人達なんだよ?
心の底から憎むなんて、できる筈ない。
でも、だからといって、心の底から愛することもできないけどね。
憎む気持ちがありながら、どこかで愛情を求める、子供なあたしの心。
親に愛されてみたい…
誰かに愛されてみたい…
あたしだけに向けられる愛情が欲しい…
欲張りな心がそう思うと、頭には何故か夏柑が浮かんだ。
ないない!
なんで夏柑が…
そりゃあ夏柑はたまに優しいし、気兼ねなく話せるし、頼りになるけど…
って、なに思ってんだか、あたし…
そうじゃなくて、今考えるべきは両親のことだ。
本当にどうしよう…
そしてまた、覚悟と揺るぎの無限のループを延々とたどるのだった。