こらしめ屋
そして、遂にその日がきた。
あたしのお腹のケガは順調に回復して、無事に退院。
傷はまだ少し痛むけど、もう歩けるようになったし、あとは通院して様子見らしい。
退院にはこらしめ屋メンバーはもちろん、夏柑やマスター、四季までもが来てくれた。
だけど、四季がいることで、あたしの心は不安になったり決意を固めたりと、せわしくなるのだった。
そんな複雑なあたしの表情をいち早くよみとった和樹は、一言こう言った。
「大丈夫。俺がついてるから。」
自信満々に放った言葉は、とても心強かった。
するとそこに、夏柑が和樹とあたしの間にグイッと割り込むようにして話し掛けてきた。
「おい、春花。俺がいることも忘れんなよ?」
夏柑のその言葉が嬉しくて、思わず笑顔になる。
「うん!ありがと。」
あたしが夏柑にそう言うと、夏柑は満足気に笑った。
あっ…
久しぶりの爽やかな方の笑顔。
やっぱり、この笑顔好きだなぁ…
久しぶりに見た夏柑の笑顔のせいで、その後ろで不機嫌になった和樹に、春花は全く気づいていないのだった。