こらしめ屋


「春花。両親、もう帰ってきてるから。僕の家…というか、春花の家?だよ。」



四季が気まずそうに言うと、あたしは、



「うん。」



とだけ返事をした。



「春花…無理しないでね?辛かったら逃げてもいいんだよ?」



海があたしを心配してくれているのは、嬉しかった。

あたしに逃げ道を作ってくれたんだと思う。


だけど…



「ありがと。でも、大丈夫。もう逃げないよ。」



あたしがニッコリ笑うと、海も少し不安げに笑った。


あたしはあえて、自分で逃げ道をなくした。

もう、逃げたくないんだ。



「話が終わったら、すぐ俺らんとこ来いよ。」


「もちろん。後でちゃんと報告する。」



みんな…ありがとう。


もう大丈夫。

きっと向き合える。


もし、最悪な結果でも、みんながついていてくれるなら…



みんながあたしの力になる。





そして、退院のお祝いに来てくれたみんなを順々に見ていって、あたしは笑顔をつくってこう言った。



「じゃあね、みんな。過去と向き合ってくる!」



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