こらしめ屋
「…ふん。わかっている。」
ナイスだ四季。
父親の奴、悔しがってる。
あたしは心の中で四季を褒め讃えた。
父親はゴホンと1つ咳をして、話を切り出した。
「春花、お前に伝えておかねばならんことがある。」
父親の顔は冷酷かどうかもわからない程に固く、次に何を言われるのか予想がつかない。
ただ1つ想像がつくのは、良い知らせではないってこと。
「…なに?」
そう一言返すのがやっとだった。
水を打ったような静けさの中で、あたしの唾を飲む音がやけに大きく聞こえた。
緊張の糸が張り詰める。
そして、ゆっくりと開かれた父親の口が紡いだ言葉に、あたしは自分の耳を疑った。
「お前はもう、私達の子ではない。」