こらしめ屋
涙は止まらない。
視界がぼやけて、どこへ向かっているのかもわからない。
ふらふらと歩いて、何となくたどり着いたのは、いつもの商店街だった。
商店街を歩いていると、いろんな思い出が溢れてきた。
初めてここを通ったのは、確か引っ越してすぐ。
両親の裏切りや新しい学校に怯えて、びくびくしながら景色も見ずに歩いたのを覚えてる。
それからは、海とよくこの商店街を通った。
小学生の時、一緒に下校したり、中学生になってからはショッピングを楽しんだり…
最近だと、和樹と海と渉でこらしめ屋の事務所に行ったりもした。
他にもたくさんの出来事があった。
この商店街は、いつの間にか、あたしにとって思い出深い場所になっていた。
ここは、嬉しいことも悲しいことも全部、あたしに思い出させてくれる。