こらしめ屋



心が温かい思い出でいっぱいになると、不思議と涙も止まっていた。



だって、もうわかったから。


あたし、ムダじゃない。

神様のミスで産まれた子でもない。


あたしには、あたしを必要としてくれる人がいる。

あたしも、その人を必要としている。


あたしの命にも、ちゃんと意味があった。





そう思ってあたしは、早足で歩き出した。


行かなきゃいけない場所を思い出した。


ううん…


帰れる場所を思い出した。





頭には大好きな人達の顔が浮かんでいた。




早足をやめて、走った。


早く会いたい。


会って、安心したい。




あたしの存在理由。

あたしの存在を認めてくれる人達…




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