こらしめ屋
「春花…、辛い時は泣いてもいいんだぜ。涙を我慢すんなよ。」
和樹も優しくあたしの頭をなでてくれた。
あったかい手の温もり。
優しくされたら、もっと泣いちゃうじゃんか…
「…っ…うん。うん!」
「そうですよ。僕たち、春花を支えたいって思ってるんですから。弱い所を見せてくれたっていいじゃないですか。」
「…渉っ。み、みんな、ありがと。あたし…ほんとはね?こんな場所…ほしか…った…の…ヒック…」
「…うん。」
海が優しくあいづちを打つ。
「大丈夫だよ…って言ってくれる…場所っ。涙…を見せて…も、いいような…ヒック…。で、でも……」
「でも…?大丈夫だから、全部吐き出しちまえよ。」
和樹の不器用な優しさが、あたしの胸を温かくする。
「こ、怖くて…。また、裏切られたら…ど…しよ…ッて。みんなのこと、信じきれなくて。そんな自分が嫌だった…。ほんとに…ごめん…っ…」