こらしめ屋
「もう!綾瀬って名前が嫌いだからに決まってるじゃん!和樹だってわかってるでしょ?」
今更どうしたんだろう?
下の名前で呼ぶくらいでさ…
「わかってっけど…、なんかムカつく!」
「なにそれ。渉のことも下の名前で呼んでるよ?」
「渉はなんか大丈夫なんだよ。だけど、あいつはダメだ。きにくわねぇ。」
……?
意味わかんない。
「どうやら僕は、和樹くんに嫌われているようだね。」
「ごめん、四季。えっと、話あるんだっけ?場所変えよ。」
「あっ…おい、ちょっと待てよ!」
「バカズキ!あたしが帰ってくるまでに、頭冷やしといてよね。」
そう言い放つと、あたしは四季を引っ張って事務所を出た。
まったく…
和樹は一体何を考えてるんだろ?
四季を下の名前で呼んだだけで、あんなに突っ掛かってくるなんて…
四季と仲悪いのかな?
それとも…?