こらしめ屋
そんな四季を見て、あたしはちょっと意地悪っぽく笑った。
「転校して来たばっかりの頃はさ、あんなに意地悪だったのに?」
「なっ…あ、あの時は、嫌われるようにしてたからしょうがないよ!」
四季は痛い所を突かれたみたいで、ガバッとあたしから離れた。
「なんで嫌われたかったの?」
「春花が傷つくって知っていたから、あまり近づきたくなかったんだ。春花が求めていた両親への問いの答えを、僕はもう知っていたから…」
最後の方は言いにくそうに話した。
そして、続ける。
「でも、姉弟って事実を知ってもらえなくても、春花に会ってみたかった。だから、僕はこの街に来たんだ。」
あたしは、頭の中で今までの出来事と四季の話の内容を思い浮かべた。
なるほど…
そういうことだったのか。
確かにつじつまが合っていた。
四季の気持ちも、ようやくはっきりとした。
つまりは、あたしも四季も同じ気持ちだってこと。