こらしめ屋
話し終えると、夏柑はからかうのをやめて、珍しく真剣な顔になっていた。
「へぇ、四季はただの弟か。」
「だから、そう言ったじゃん。」
「で、綾瀬家では母親と父親にこっぴどく傷つけられた、つうわけか。」
こっぴどくって…
まぁ、確かにそうだけど。
「どーすんだよ?」
「今ね、こらしめ屋メンバーでプランを考えてる。だけど、敵は綾瀬財閥。なかなか上手くはいきそうにないんだよね…」
あたしは、がっくりと肩を落とす。
「ふーん。…手伝ってやろうか?」
「えっ?ほんとに?」
あたしは夏柑の言葉に、パッと顔を上げた。
夏柑がいれば、百人力だ!
「最近おもしろい仕事がねぇから、暇なんだよ。」
そう言って、夏柑はわざとらしく欠伸をした。
「ありがとう、夏柑!」
「気にすんな。ま、俺にかかればあっという間だぜぇ。」
おぉ!
頼もしいお言葉!
ま、自信過剰ともいうけどね。