こらしめ屋
「それは微妙だね…」
「ねっ?訳わかんないでしょ?」
話終えると、珍しく海は難しい顔をしていた。
「春花は、夏柑さんのこと、どう思ってるの?」
「どうって…尊敬してる。探偵の腕はぴか一だし。」
「好きか嫌いで言ったら?」
「そりゃ好き…だけど。」
「恋じゃないのかな?」
海は少し期待したようにそう言った。
「えっ?でも…夏柑だよ?海は知らないかもだけど、俺様だしドSだし人の話聞かないし…」
「でも、良いところもあるんでしょ?」
あたしは海の言葉にぎくりとした。
そして、同時に観念した。
もう、自分の気持ち隠していられないよ。
「…うん。俺様だけどたまに優しいし、ムリヤリだけど悩み聞いてくれるし、頼れるし、一緒に潜入調査してくれたし…」
あたしが夏柑を褒めていくのを、海は真剣に、だけど、楽しそうに微笑みながら聞いてくれていた。
「悔しいけど、夏柑のことカッコイイな…って思ったこともあるんだ。」