こらしめ屋
「綾瀬さん!」
後ろを振り返ると、木本くんだった。
「どうしたの?木本くん。」
木本くんとは同じクラスだけど、あんまり喋ったことがない。
メガネを掛けた男の子で、成績優秀なお坊ちゃまタイプだ。
「あの…、いきなりなんですけど、綾瀬さんって『こらしめ屋』とかいう仕事をしてるんですよね?」
「そうだよ。何?依頼なら事務所で聞くよ?」
「ち、違います。依頼じゃなくて…あのー。その……………えっと……。」
下を向いて、はっきり続きを言ってくれない木本くん。
「なに?」
と、先をうながした。
すると木本くんは意を決したように顔をガバッ!と上げた。
そして、
「僕もこらしめ屋で働きたいんです!!」
と、言った。
一瞬、何を言ってるか分かんなかった。
「えっ!?本気?」
頭が混乱してる。