こらしめ屋
「えぇぇー!?四季って、あの四季!!?」
そんな珍しい名前、四季しかいないよね?
海が四季を好きだったなんて!
気づかなかった!
「…うん。転校して来た時から、気になってたの。」
「そうなんだぁ。でも、いいと思うよ!四季、案外いい奴だし。」
あたしがそう言うと、海は表情を一変させて、不安げにきいてきた。
「でも…四季くんは春花のことが好きなんじゃないかな…?転校初日から気に入ってるみたいだったから…」
海の言葉を聞いて、あたしは驚き、焦った。
姉弟の絆が、まさかこんな所にも誤解を生んでいたとは…
あたしは慌てて、そのことを説明した。
「海、それ誤解!さっき四季と話したけど、違くて、四季はあたしを姉としか見てないよ。だから、何にもないよ?」
早口で説明すると、
「ほんとに…?」
と、俯きがちだった目線を上げて、海がたずねる。