こらしめ屋
―…次の日。
あたしが事務所に行くと、和樹は不機嫌そうに来客用のソファーに座っていた。
「おはよ、和樹。」
「…おう。」
あちゃー
こりゃ、まじで不機嫌モードだ。
昨日のこと、まだ怒ってるのかな…?
「あのぉ…和樹さん?怒ってらっしゃる…?」
恐る恐るそうきいてみると、
「…別に。」
と、短い返事が返ってきた。
いやいやいやいや…
完璧に怒ってらっしゃるじゃないですか!
「まだ、バカズキって言ったの怒ってんの?」
「んなんじゃねぇよ。お前さ…昨日四季と…」
そこまで言うと、和樹の口は言葉を紡ぐのを止めた。
「四季と?なに?」
「なんでもねーよ!気にすんな。」
「なにそれ?言いかけといて…気になるじゃん。」
「いいから、気にすんなつったら気にすんな!とっとと仕事しやがれ、あほ春花。」
和樹はそう言って、手をしっしっと振って追い出す仕草をした。