こらしめ屋
《バンッ!》
力を込めて押したので、大きな音が鳴る。
その音に驚いてこちらに振り返った、居間にいる人達の顔を確認すると、あたしはいつもの言葉を言った。
「綾瀬聡!綾瀬文子!依頼人の命により、あんたらを、今からこらしめます。」
今回は和樹、海、渉からの依頼ということになっているので、私的感情は捨てる……
なんて、できるわけもなく、あたしはにっこり笑うと、いつもより声を大きくして付け加えた。
「どうも、こんにちは。大好きなパパとママを地獄に突き落としに来たよ。」
「…お前、どうやって中に…!?それに、何を言ってるんだ!?」
「あなたは、もう綾瀬家の人間ではないのですよ!?即刻、出て行きなさい!」
「うるさいなぁ。これは仕事なの。あんたらをこらしめて欲しい、って依頼されてね!」
「益々意味がわからん!」
「とにかく出て行って頂戴。あなたの顔なんて、もう見たくないのよ!」
「……っ…。」
やばい。
予想以上にキツイ言葉たち。
頭がガンガンする…