こらしめ屋
しかし、室内は電気もついておらず、シーンと静まり返っている。
「春花…いないね。」
海がしょんぼりとして言った。
と、その時だった。
パチッと部屋の電気がついた。
そして、
「遅かったじゃん。待ちくたびれたよ。」
聞こえてくる声。
「「「春花!!」」」
「アハハ♪ハモってるし。」
そう言って、いつものように楽しげに笑う。
そんな春花をみて、三人はつられて笑ってしまうのだった。
「もう!春花がいないと思って焦ったんだからね。」
「ごめん、ごめん。ちょっと奥の部屋にこもってて。」
「春花、ここにいるってことは、こらしめ屋は…」
和樹のその先の言葉を、あたしは素早くすくいとった。
「続けるよ。こらしめ屋は続ける。」
「本当ですか!?」
「もちろん。」
「でもよ、こらしめ屋を続ける理由なんてもうないんだろ?俺らてっきり、解散しちまうんだと…」