こらしめ屋
学校を出て、しばらく歩くと、白銀通りの商店街に出る。
この商店街に、あたしが経営している【こらしめ屋】がある。
詳しい場所は企業秘密。
見つけたい人が、見つけられればいいよ。
経営してるっていっても、ちゃんとした店じゃない。
っていうか、閉店になってた店を勝手に改造して造っただけの、秘密基地みたいな所なんだ。
店の前に看板は出していない。
だけど、ちゃんとお客は来てる。
《ウワサ》があたしの店の広告代わりなんだ。
今日は一人予約が入ってる。
まだ名前しか知らないけど、4時半には来る予定。
今、4時20分だから、あと10分しかない。
制服を着替えるのは諦めて、メモ用紙とお茶の用意をする。
すると、
《カラン、カラン》
と、鐘の音が入り口の方から聞こえた。
どうやら、お客様が到着したみたい。