こらしめ屋
あたしは、真っ直ぐ木本くんの目を見た。
仲間になったら、あたしの内情、色々きかれちゃうかな…
でも、効率は上がる。
んー…
「いいよ。」
あたしの脳内で、メリットが勝利した。
木本くんの顔がパァーっと明るくなる。
「本当ですか!?」
「うん!ホント。」
「やったぁ!ありがとうございます!本当に…!!」
「ただし!!!」
あたしが、そう一言つけ加えると、木本くんは、
「えっ!?」
と、言い、さっきの顔とは一変、不安げな表情になった。
あたしは、続けた。
「ただし!!きちんと勉強と両立させること!今年は受験あるしさ。」
木本くんの顔が元通りになる。
この短時間で、よくこれ程コロコロと表情を変えられたもんだ。
「大丈夫です!両立させてみせます!!」
「じゃあ、採用決定ってことで。よろしくね、木本くん。」
「よろしく、綾瀬さん!」
「ちょっと待ったぁ!!」
「えっ!?なんですか!?僕、変なこと言いいましたか?」
「言った!その『綾瀬』って呼ぶの止めてくれない?春花でいいよ。」
「呼び捨てでいいんですか?」