こらしめ屋


入り口を見ると、25、6歳ぐらいの女の人が立っていた。



「あの…すみません。こちらが、こらしめ屋さんですか?」



女の人がそう言うので、あたしは笑顔で受け応える。



「そうですよ。こんにちは。あなたが、三村さん?」


「はい。」


「待ってましたよ。こちらへどうぞ。」



あたしがそう言うと、女の人が驚いてきいてきた。



「えっ?もしかして、あなたが…?」



これは、想定の範囲内。


たいていの人は、あたしを経営者だとは思わない。

せいぜい助手に見られるぐらい。

まあ、制服着た中学生なんだから、驚くなって方が無理なんだけどね。



「はい!あたしが、こらしめ屋の経営者です。あっ。どうぞかけて下さい。」



あたしは手前のソファーをすすめて、三村さんが座ってから、自分も向かい側のソファーに腰掛けた。



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