こらしめ屋
「おい。木本の名前、
思い出したか?」
あたしがしばらく考え込んでいると、再び和樹がこそこそと話しかけてきた。
「まだ…。確か、最後は『る』で終わる感じの名前だったよね?」
「俺もそんな気がする。輝とか、充とか?」
「悟とか直遥とかもありえるよ。」
「……。あー!もう、マヂわかんねえ!!」
海はもう、名前を思い出すのを諦めたのか、あたしと和樹の会話には加わってこなくて、木本くんの注意をこっちに向けないようにしていてくれた。
こういう時、みんなはどうしているんだろう…?
結局あたしは、木本くんの名前を思い出せなかった。
あたしは家に帰るとすぐに部屋に入り、連絡網をみた。
『木本 渉』
「あ~!そうだ!!渉だ!やっと思い出した!」
早速、海にメールを送った。
【木本くんの名前わかったよ~\(^O^)/『渉』だって♪】
ついでに和樹にも送っとこう。
【木本くんの名前わかった★『渉』だよ。】
海より手抜きだけど別にいいだろう。