こらしめ屋


すると、夏柑がポツリと言った。



「メンドくさ…。」


「何か言った?」


「メンドくせぇ!」


「はぁ!?仕事でしょ!?
しっかりしてよ!」


「まだ依頼を受けるなんて、決めてねぇよ。」



でっかい欠伸をしながら、夏柑が言った。

あたしは嫌みたっぷりで返した。



「あぁ、そう。じゃあ、どうか依頼を受けてくれませんかね!?夏柑さま!?」


「だから、メンドくせぇからやだ。」


「依頼の内容ぐらい聞いてよ!」


「ったく。しょうがねぇな…。」



回転イスをぐるりと回して、やっとあたしの方を向いて喋りだした。



「で?どんな依頼?」


「少し、長くなるんだけど…」


「あぁ。長いんなら、いいわ。聞くのもメンドくせぇ。」


「わかった!短くするから聞いて!」



こいつと話してると、ストレスが溜まる。

どうやっても、夏柑のペースに引きずり込まれるんだよね…



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