こらしめ屋
あの男(ヒト)!
次の日、学校に行くと、いつもと教室の雰囲気が少し違った。
みんなが、何故かそわそわしていて、喋り声も大きかった。
あたしは、近くにいた渉に声を掛ける。
「おはよー、渉!何かあったの?」
「あっ!おはよう春花。噂だけど、今日、転校生が来るらしいんです。」
どことなく、渉もそわそわしていた。
「えっ!?ほんと?女?」
こんな時期に転校生だなんて珍しいな…
「男らしいですよ。」
渉は嬉しそうに言った。
あたしのクラスは男子の方が少ないから、喜ぶのは当たり前だ。
きっと他の男子達も、その転校生と友達になろうと、楽しみにしているんだろう。
その証拠にさっきから、
「どんな奴かな?」
だとか、
「かなり楽しみ!!」
とかいう会話が聞こえてくる。
あたしも転校生だ、なんだとかいうのは大好きだから、海の所に行って、その転校生について喋った。
海も楽しみにしている様子だった。