こらしめ屋
その後は、授業に集中できるはずもなく、あたしの頭の中では、さっきの会話が、ぐるぐると渦を巻くように繰り返されていた。
さっき、杉崎は言った。
(『くん』なんて、もうつけてやるか!)
あたしが、綾瀬財閥の会長である、綾瀬 聡の娘だと…
それは、確かに事実だった。
海にも隠し続けてきた事実。
でも、現在進行形の真実であるとは言い切れない。
綾瀬 聡は7年前まで、あたしのお父さんだった。
でも、今は違う。
だって、あいつは…
あいつらは…
あたしを捨てたんだ!
もう、お父さんなんかじゃないよ…
あんな人達が親だなんて思いたくない!