こらしめ屋
学校を出て、いつものように白銀通りへ向かう。
こんなに重い気持ちで、この通りを歩くのは初めてだ。
海たちを連れて来た時もあったけど、その時は、そこまで嫌じゃなかった。
でも今は、本気の本気で、最低最悪な気分。
「どこ行くの?」
後ろから、杉崎がきいてきた。
「事務所。」
あたしは、チラリと後ろを振り返り、短くこたえた。
白銀通りに来たことがないみたいで、辺りをキョロキョロ見回しながら着いて来ている。
そういえば、一応転校生なんだったっけ?
「事務所?」
「そ。」
「ふ~ん。誰の?」
「あたし。」
「……なんで、そんなに冷たいわけ?」
「別に。」
あたしは素っ気なく答えた。