こらしめ屋


学校を出て、いつものように白銀通りへ向かう。


こんなに重い気持ちで、この通りを歩くのは初めてだ。

海たちを連れて来た時もあったけど、その時は、そこまで嫌じゃなかった。

でも今は、本気の本気で、最低最悪な気分。



「どこ行くの?」



後ろから、杉崎がきいてきた。



「事務所。」



あたしは、チラリと後ろを振り返り、短くこたえた。

白銀通りに来たことがないみたいで、辺りをキョロキョロ見回しながら着いて来ている。


そういえば、一応転校生なんだったっけ?



「事務所?」


「そ。」


「ふ~ん。誰の?」


「あたし。」


「……なんで、そんなに冷たいわけ?」


「別に。」



あたしは素っ気なく答えた。


< 83 / 290 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop