こらしめ屋
「冷たいじゃん?会ってすぐの時は普通だったのに。やっぱり、財閥のこと話したから?」
「ちょっと!財閥とか言わないで!他の人が聞いてたらどうすんの!?」
あたしは後ろを振り返って、杉崎を睨んだ。
「バレようが、どうなろうが、僕に被害はないよ。」
いじわるく笑う杉崎の顔が、憎たらしい。
あたしは前に向き直り、事務所へと急いだ。
これ以上、杉崎が余計なことを喋る前に、はやく口止めしないと。
「綾瀬、歩くのはやい。」
「うっさい!綾瀬って呼ぶな!」
イライラしながらも、決まり文句を口早に言う。
「えっ?じゃあ…は、春花?」
急に杉崎が、ドキマギしだした。
なんだコイツ?