こらしめ屋
7年間、あたしが作り上げた幸せ。
海がいて、和樹がいて、あたしがいる。
そして、3人で馬鹿みたいに笑ってすごす。
今は渉も仲間だし、他のたくさんの友達も大切な仲間だ。
この日常が崩れ落ちることが怖いぐらいに、大切なものがたくさんできた。
壊されたくない幸せ。
もう、誰にも壊させない。
ただ、心に残る1つの気掛かりな闇。
綾瀬財閥…
両親…
これを話してしまえば、同情の目が向けられて今まで通り馬鹿みたいに心から笑えなくなるような気がして怖い…
綾瀬財閥の娘だからって気を使われるのも嫌だ。
このままでいい。
このままの幸せがいい。
みんなと楽しく笑いあっていられればいい。
そう思っていたのに…
杉崎の出現によって、あたしの幸せは危ういものになってきた。
あいつなんかのせいで、あたしの幸せを壊されてたまるか!
さっきは、つい涙を見せてしまったけど、あれはなかったことにする!
杉崎なんかに負けてたまるか!