ピュアラブ!
───遡ること、約半年前。
「ひー…もー毎日毎日寒いなあぁ…」
厳しい12月の寒さに両手を合わせ擦りながら、教室で友達の美波を待っていたときのこと。
窓から部活中の恭ちゃんが見える。
ユニフォーム姿もたまんないけど、長袖長ズボンのジャージ姿も似合ってる。
颯爽と駆け抜ける姿がまた……
「かぁっこいぃなあぁ……」
いつ見ても、何度見てもかっこいい…
美人は3日で飽きるって言うけど、美男子は何年経っても飽きないものなのかしら。
「……ハッ! あ、あれは…!?」
よく見ると、グラウンドを囲うフェンスの外側に女子生徒が集まっている。
他にも野球部とか陸上部の部員はいるけど…あれは……間違いない。
ゼッッッタイ
恭ちゃんを見てる!!!
「…ま、まあ別に良いけどね!私なんかいつも一緒なんだから!嫉妬なんてガキみたいなこと…──」
「何?独り言?」
………え。
突然背後から聞こえてきた声に驚き、後ろを向くと……
教室の入り口に…立っていたのだ。
───不敵に笑う、雪村蛍が。