ピュアラブ!
「…私が姫って呼ばれてるのはね、可愛いからとかそんなんじゃないの!」
「へえ?じゃあ何で?」
「名前に姫って字が入ってて、それを恭ちゃんにチビひ………あ」
だめだ。
この先をこいつに言ったら、馬鹿にされるに決ま───
「チビ姫って呼ばれてるからってわけね。納得」
「え」
「咄嗟に止めたけどそこまで言ったら一緒だよ?バカだね。バカ姫だね」
「な」
また、人を馬鹿にしたような余裕の笑み。
くッ………
屈辱…!!!
「…私、あんた嫌い」
「そりゃどーも」
スルッと口から飛び出た本音にも眉一つ動かさず、むしろ嬉しそうに目を細める。
「なあチビ。オレの名前知ってる?」
「チビって言うな。知ってるわけない」
「マジ、霧崎にしか興味無いのな」
「当たり前。私は昔から恭ちゃん一筋なんだから。ていうか何?何でここにいるの?からかうだけならどっか行ってよ」
「あらあら。冷たいなあー」
「ムカつく。ウザい。どっか行け」
私は好きな人にはとことん愛情を伝える人間だけど、その分嫌いな人にもストレートに本音をぶつける。
だから当然、一瞬で嫌いになったこいつにも睨みつけながら毒を吐きまくる。
マジでどっか行って下さい。
ウザいです。
このウザイケメン野郎。