ピュアラブ!




「……はぁ…」




毎日毎日、飽きもせず。



姫、姫、姫、姫、姫、姫。




男女問わず私をからかう。




まあ、慣れたって言えば慣れた。



ムカつくけど。




でも、だからって原因を潰そうだなんて思わない。




それは、何より大切なものを失いそうで嫌だから。




「ほら姫ー!王子のお迎えですぞい!」



「えっ」




爺や役らしき男子の一言にパッと顔を上げると、教室の入り口に私の愛しき…マイプリンスが。




「おいチビ姫、帰るぞ」




「う、うんっ」




パアァッと笑顔になる私を見て、また教室は大爆笑。




「お気を付けてお帰りを、姫様ー!」



「敬礼ー!」



「はっ!」




何故か道を開ける皆の間を駆けて王子の元まで行くと、振り返り皆に一言。




「また明日ね!」




王子と帰れることの嬉しさから来る、恐らく超緩みきっているであろうデレデレスマイルで。




そして沸き起こる歓声の中、私たちは退場。






───…何かの劇でしょうかね、これは。





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