ピュアラブ!
「まあまあそんなに怒るなよチビ」
笑いながら私の頭を触ろうとする手をはね除ける。
私の頭に触れて良いのは、恭ちゃんだけなんだから。
気安く触るな。バカ。
「……おー…拒否られたの初めて……ちょっと傷付いた……」
おどけた顔で言う嫌味野郎。
「だって嫌いだもん。触らないでよ」
「はいはい、わかりましたよ。 ったく…ムカつくチビ」
「あんたの方がムカつく。ていうか私のことチビチビ言うけど、あんただって男のくせにチビじゃん」
「なっ」
私の言葉にカッと顔を赤くする嫌味野郎。
そう。こいつ、どう見ても…
170センチ無い。
せいぜい165ぐらいかな?
男にしては小さいよね。
「よくそれでチビとか言えるよね。チビ」
「おま…!人が気にしてることを!このクソチビ!」
「私だって気にしてますー。嫌味チビ野郎」
「口悪ッ! でもチビ、愛しの霧崎にはチビって言わせてんじゃんかよ」
「恭ちゃんはいいんですー。でもあんたに言われると鳥肌立つ程ムカつくんですー」
「……そんなに嫌い?オレのこと」
早口でまくし立てる言い合いの最中、少し間を空けて低いトーンで問いかける奴。