ピュアラブ!
「霧崎」
雪村の声に恭ちゃんが反応する。
「ぶっちゃけさ。大変じゃないの?チビの子守り」
「………なっ」
何を言い出すかと思えば、こいつー…!
「別に。慣れてるし」
って恭ちゃん。
慣れてるしって、………。
「まあ昔からならそうだろうね。チビ、あんまり霧崎に依存してんじゃねーぞ」
「…依存、なんて………」
…なんか、なんだろ。
すっごいムカつくし、ウザいし…
でも何よりも…悔しいな……
だって、返す言葉が見つからない。
思わず俯いてしまう。
「だいたいさ、チビと霧崎なんて釣り合わな……おっと。わり、霧崎。そんな怖い顔しないでよ」
雪村の言葉に、顔を上げ恭ちゃんを見てみると、すごく怖い顔をして雪村を見ていた。
睨んでるわけでもないのに、本当に怖い……
「雪村、言い過ぎ。囃し立てるならどっか行ってくれ。面倒くせぇ」
いつもより低い低いトーンで放った一言は、すごく威圧感があって…
あまり怒ることのない恭ちゃんだから、余計に怖かった。
「…あらあら、怒っちゃったか。じゃあこれまでにしておくか。ゴメンネ霧崎!」
「イケメンが怒るとぉ、迫力すごいねぇー…鳥肌たっちゃったぁ」
「オレもだよ遥ー。さ、退散しようぜ」
「わかったぁー。じゃあねぇ、霧崎クン、チビちゃん」
そう言い残し去っていく二人。
……なんだか少し気まずい空気を置き土産に。