ピュアラブ!
一方通行
「───ここ……」
手を引かれたまま歩き続け、着いたのは近所の公園。
小さい頃は毎日ここで恭ちゃんと遊んでたっけ…
『おっにさんこっちらー』
『まって恭ちゃん、はやいよー! …わっ!』
『! ゆず! 大丈夫か!?』
『…えへへ…転んじゃった… 大丈夫だよ!』
『ハァ…心配かけさせるなよなぁー。はい』
『え』
『手、かせよ』
『…あ、ありがと…』
『ん』
───うわぁ……
なんか今、すごい懐かしいこと思い出したなぁ……。
恭ちゃん、思い返せば昔からイケメン…
きっと私はこの頃から好きなんだ、恭ちゃんのこと。
そして……最近は忘れかけてた、大事なことも思い出した。
「ゆず、ここ」
いつの間にか私から手を離し、昔よく遊んだブランコに座っている恭ちゃん。
隣のブランコを指さし、座るよう促す。
「あ…うん」
…そうだった。
恭ちゃんは真剣なとき
私のこと、「チビ姫」じゃなくて「ゆず」って呼ぶんだ。