ピュアラブ!
「きょ、恭ちゃん?」
声を掛けると、頭を撫で回す手は離れていった。
「……ごめんな。あれはその、言葉のあやってやつでさ…。ゆずがそんなに気にするとは思わなくて」
申し訳なさそうに眉を下げ、私を見つめ
「ごめんな」
そう言って頭を下げる。
「ちょ、ちょっと恭ちゃん…!そこまでしなくても………ね、顔上げてよ。ね?」
「…許してくれんの?」
顔を下に向けたままの恭ちゃんが発する声はやけに弱々しくて…
胸がキュッと締め付けられた。
「ゆ…許すとか許さないとかじゃなくて……私はただ、恭ちゃんが私のこと面倒くさいんじゃないかって…だからそれだけ聞きたくて」
「面倒なわけない」
私の言葉に、頭を下げたまま即答。
こんな恭ちゃん見るの初めて……
「……ほ、ほんとに?」
「当たり前。つーか今更面倒も何もないだろ」
「…わかった。なら、顔上げてよ」
顔を上げた恭ちゃんの綺麗な瞳はまっすぐ私を見ていて、やっぱり嘘の色は見えない。
「じゃあ、今まで通りで……いいの?」
おそるおそる問い掛けると
「当たり前。離れる必要なんか別にないだろ」
と、優しく微笑んでくれる。
「彼氏が出来るまではな」
と付け足して。