あの日あの場所、君がいた。
1…夏
あの夏の日。僕は君に出会った。
君は今、何をしているのかな。
僕のこと、覚えているのかな。
君の髪、君の瞳、君の手、君の微笑み…
全てを、愛していた。
…いや、愛しているんだ。
今はいない、あの日の君へ。
……気づいたら、
頬に冷たい涙が伝っていた。
馬鹿みたいに煩い蝉の鳴き声が
どこかからか、聞こえてくる……
「……サヤちゃん!」