あの日あの場所、君がいた。
やわらかい風が、頬を撫でていく。
とある小さな公園。
雑草は無造作に生やされていて、赤や青で色どられた遊具は錆びて所々茶色くなっている。
そんな誰もいない、人気のない公園。
しかしここは、僕の唯一の安らぎの場だった。
「どうせ母さんも、このテスト結果見たら怒るんだろうな…」
親というのはいつもそうだ。
「怒らないから見せなさい」なんて言っておきながら、素直に見せたらこれでもかというほど怒鳴り出す。
たった一人の理解者であった父は海外で仕事中。
毎日忙しいであろう父の邪魔はしたくないから、電話はかけていない。
元気にしているのだろうか。
「うわあああ!もうお前何やってんだよ!すいませーん!!そのボール取ってくださーい!!」
突然声が聞こえてきたかと思うと、小学生くらいの男の子数人が、ここから道路を挟んで向かいにある小さなアパートの駐車場からこちらに走ってきていた。
恐らくあの子達の中の誰かが遠くにボールを投げてしまったのだろう。
足元を見ると、僕が座っているベンチの下に顔の大きさくらいの黄色いボールが転がっていた。
僕はボールを取ろうと手を伸ばす。
が、手に触れたボールはベンチの下を静かに潜り抜けていき、背後にある茂みの中へと転がり込んだ。
とある小さな公園。
雑草は無造作に生やされていて、赤や青で色どられた遊具は錆びて所々茶色くなっている。
そんな誰もいない、人気のない公園。
しかしここは、僕の唯一の安らぎの場だった。
「どうせ母さんも、このテスト結果見たら怒るんだろうな…」
親というのはいつもそうだ。
「怒らないから見せなさい」なんて言っておきながら、素直に見せたらこれでもかというほど怒鳴り出す。
たった一人の理解者であった父は海外で仕事中。
毎日忙しいであろう父の邪魔はしたくないから、電話はかけていない。
元気にしているのだろうか。
「うわあああ!もうお前何やってんだよ!すいませーん!!そのボール取ってくださーい!!」
突然声が聞こえてきたかと思うと、小学生くらいの男の子数人が、ここから道路を挟んで向かいにある小さなアパートの駐車場からこちらに走ってきていた。
恐らくあの子達の中の誰かが遠くにボールを投げてしまったのだろう。
足元を見ると、僕が座っているベンチの下に顔の大きさくらいの黄色いボールが転がっていた。
僕はボールを取ろうと手を伸ばす。
が、手に触れたボールはベンチの下を静かに潜り抜けていき、背後にある茂みの中へと転がり込んだ。