君の近くで…
仕事が終わって外に出たらどしゃ降りの雨


駐車場まで走る


運転席で一息ついてエンジンをかける


ワイパーに弾かれる雨粒を見ながら優希くんの事が浮かんだ


傘…もってきてるかな?
朝晴れてたしな…

携帯にはメールは無い


バックミラーで髪とメイクを直した


そして
優希くんに電話をしてみる


『はい。』


初めて会ったとき以来の優希くんの声


受話器越しにザワめきが聞こえた


「あ、南です。」

なぜか敬語になってしまう
『あ、、お仕事お疲れ様です。…どうしたんですか?』


「…いや、外さ雨すごいじゃん?…だから、優希くん帰り道大丈夫かなぁって…思って。」


なんとなく緊張して途切れ途切れになってしまう会話

『あー…うん。いや、大丈夫じゃないです。』


優希くんの声からも気まずいのがわかった
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