「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
どうしてそんなに不細工なの?
「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
だって、すごく惜しい。
適度に引き締まったスレンダーな長身。魅惑のプリッケツ。
カフェオレみたいな美味しそうな髪色。短めのそれをワクッスか何かで遊ばせていて、無操作だけども芸術的で。
うん、顔以外は超絶イケている。
顔、以外は……。
「またその話か」
米山は私にチラと冷ややかな視線を寄越し、溜息混じりにこぼした。
ただ今、私たちは勤務中。
特別養護老人ホーム、通称『特養(とくよう)』の職員だ。
日常生活に介助が必要なお年寄りのお世話をさせて頂いている。
介護士。『ヘルパーさん』とも呼ばれる。
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