「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
「お前はいいよ、寝てるだけでなんもしねーじゃん」

だがしかし、口答えだけは怠らない。



「なっ! そう見えるかもしんないけど、ただ寝てるだけと思ったら大間違いだからねっ?」


「実際そうじゃね?」


「違うもん。浩平とエッチした翌日は、絶対筋肉痛になるんだから」


「なんで?」


「さぁ……」


「不思議だな」


「だね」


「おやすみ……」


「ちょっとー浩平! 手! 手、お休みしてる」


「だから『おやすみ』って」


「意味わかんない! だめだめ浩平! いやっ、行かないで! お願い戻って来て!」


俺を呼び戻す杏奈の必死な声を最後に、俺の意識はプッツリ途切れた。



朝まで熟睡コースを迷わず選択。

だって明日、杏奈も俺も仕事休みだから、動物園に行こうってことになってっし。


体力回復させとかないと、だしな。


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