「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
「こんな顔じゃ、外出れねぇだろ?」


「いいじゃん、動物園だもん」


動物園へ行くんだからパンダ顔でいいと、彼女はそう主張しているらしい?



「『いいじゃん』って何が? どこが? なんで? てか鼻、デカ過ぎだろ?」


「それは私のせいでは……。物質的な問題っていうか……」


「黙れ。それ以上しゃべんな」



何か冷たいもんでも飲めば少しは頭の熱も冷めるかもと、キッチンへ向かった。


冷蔵庫の扉に手を掛けた時、背後からぎゅうと抱きつかれた。背中に二つの柔らかい物が押し付けられて、その感触に思わず身体が固まった。


そしてクララも硬く……以下省略。



「ごめん。怒らないで? 浩平が先に寝ちゃって寂しかったから」


縋るように紡がれた儚げな声に、ほんの少しだけ心が揺れる。



「だからってこんな……酷過ぎだろ? 悪質過ぎるだろ?」


「うん、だからごめんて。浩平――

――大好き」



ああ、もう……。


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