「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
不測の事態とは正にこのこと。
組み敷いた愛しい人の、濡れた眼差しは既におぼろげ。
激しい情欲にさらわれそうな意識を、微かな余力でしがみ付くように保っている――
――のに。
いつものようにベッドすぐ横、テレビ台の棚に手を伸ばし、引き出しを開けて中を探った俺は絶望する。
そこにあるはずのアレが手に触れない。まさかの品切れ?
ここ一週間、いくらなんでもヤり過ぎたか。
……ではなく!
渋々、今さっき割って入ったばかりの杏奈の両足の間から抜け出て、ベッドから下り、引き出しの中を覗き込む。本当に本当に、一個も残ってないのか、この目で確かめるために。
「杏奈さん、大変です」
力なく呟いた。
「ん……? ど、した、の?」
朦朧として、深い呼吸の合間に途切れ途切れで返してきた杏奈は、この一大事をまだ知らない。